FUE法とFUT法の特徴と違いとは?
植毛方法はいくつもあり、その中でも現在、特に推奨されている方法がFUE法とFUT法の2つです。しかしこの推奨されている2つの植毛施術にも大きな違いがありますので、その特徴と違いを理解した上でご自分に適した植毛を検討しましょう。
|FUE法はメスを使わない植毛
FUE(FOLLICULAR UNIT EXTRACTION)法の大きな特長は、メスを使用しない植毛施術という点です。植毛用のドナー髪を採取するために「パンチ」と呼ばれる「くり抜き器具」を使用し、これによってミリ単位(1ミリ前後)ほどの微小の穴を開けることとなりますが、傷が残ったり、かさぶたができて治るのに時間がかかったりする心配がありません。
注射した場所をしばらく押さえていれば注射跡が消えてなくなってしまう感覚と似ています。FUE法は自毛植毛の歴史も比較的長い術式でベテランの施術師も多く、信頼度も高いです。
|FUT法はメスを使う植毛
名前が似ているため似て非なるイメージがありますが、FUT法(FOLLICULAR UNIT TRANSPLANTATION)はメスを使う植毛で、FUE法とは大きく異なる施術法となります。ドナー髪を採取するために後頭部や側頭部から皮膚ごとメスで切り取り(目安として縦1センチ×横10〜20センチ程度)、その後に傷口を縫い付けます。
なので傷跡が残ってしまう可能性はゼロではなく、また傷が完治するのにも時間がかかってしまいます。(近年はFUTの傷縫合の際にトリコフィティック縫合法という技術が採用され、より傷跡が目立たなくなっています)
ただFUE法と比べると多くの髪を植毛しやすく毛根の切断率が低いメリットがあるため、定着しやすい植毛法でもあります。登場はFUE法(以前のFUE法は「パンチグラフト法」と呼ばれていた)よりも新しく歴史が比較的短い施術法ですが、自毛植毛法の中でも世界中で一般的な方法として認知されています。
|FUE法とFUT法はどっちが優れているのか?
どちらが優れているかはご自分がどんな植毛を望まれているかによって異なるので一概には言えません。上記したようにメスや傷跡の有無を考えるのであれば、FUE法の方が適しています。
ただ1回で採取できるドナー髪が少なく、毛根の切断率もメスを使うFUT法よりも高いです。そのため薄毛状態によっては複数回の手術が必要となることもあります。広範囲の植毛で定着率の高い植毛を望むようであれば、メスは使いますがFUTの方が優れています。
とは言え、FUE法、FUT法ともに年々技術が進歩しています。それぞれのデメリット部分が改善されてきています。どちらの手法も自毛植毛技術として精度が高く、明確にFUE法とFUT法の優劣を分けるのは難しくなってきているのが現状です。
|費用や術後経過による違いはどれくらいあるのか?
まず費用についてですが、いずれも健康保険適応外の美容手術のため、費用は決してリーズナブルとは言えません。部位や範囲によって金額は変化しますが、概ねFUE法の場合は100万円、FUT法の場合は50万円ほどと平均され、メスを使うFUT法の方が費用を抑えることができます。
ただし術後経過に関してはメスを入れるためFUT法はどうしても術後の回復に時間がかかっていまい、傷口の大きさによりますが、完治に2週間前後が求められます。一方、メスを使わないFUE法であれば2〜3日で十分です。